ロシア沿海州放射性廃棄物処理・長期保管リージョナルセンター建設協力事業に係る
資金供与契約の署名について

令和元年(2019年)10月11日
日露非核化協力委員会技術事務局

  1. 2019年 10月 1 日(火)、ロシア連邦モスクワ市において、ロシア沿海州放射性廃棄物処理・長期保管リージョナルセンター建設協力事業に係る契約署名式が開催され、新井勉日露非核化協力委員会技術事務局長がルジン「ロスラオ」社社長との間で事業実施に係る資金供与契約に署名しました(契約額約18.6億円、2021 年末完成予定)。 (本件事業については、2019年7月に日露非核化協力委員会と国営公社「ロスアトム」との間で実施取決めが締結されており、今回の資金供与契約署名によって協力が具体的に開始されます。)
  1. 同リージョナルセンターは、極東ロシアにおいて保管されている放射性廃棄物を処理し、安全な状態にすることを目的として、ロシア政府が国家計画として建設を進めているものです。本件協力を通じて、日本は中レベル放射性廃棄物処理設備のうち焼却装置ほか一部機材の設計・製造に対して資金面の協力を行います。
  1. 日本政府はこれまで極東ロシアにおいて、退役原潜解体事業「希望の星」、原子炉区画陸上保管施設建設協力事業(機材供与)及び原子炉区画ブラスト・塗装施設建設協力事業などの協力を実施してきました。極東ロシアにおける原潜解体等により発生した放射性廃棄物を、最終処分に適した安全な状態に処理し、長期間(FSUE «NO PAO»社に引き渡すまでの間)保管することを目的とするリージョナルセンターへの協力は、放射性廃棄物の安全な管理を達成することにより,日本海の環境保護にも寄与するものです。

(署名式典の様子)

 

極東ロシアにおける原子炉区画ブラスト・塗装施設
完成式典の開催について

平成26年7月8日
日露非核化協力委員会技術事務局

  1. 2014年6月24日(火)、ロシア連邦沿海地方ラズボイニク湾の退役原子力潜水艦の原子炉区画陸上保管施設において、日本国政府が建設に協力したブラスト・塗装施設の完成式典が開催されました(支援額約7.26億円)。式典には日露両国政府、地元自治体等の関係者が出席し、露側関係者から日本の支援に深甚なる謝意が表明されました。
  2. 現在、ラズボイニク湾には退役原潜解体後の原子炉区画約50基が一時的に海上保管されていますが、ロスアトムは2020年までに全ての原子炉区画の陸揚げを行い、今般完成したブラスト・塗装施設で防食塗装を施した上で長期保管(約70年)することを目指しています。今般の施設完成により、原子炉区画を陸上で安全に保管するための技術工程が完結しましたので、2012年に日本国政府が供与した浮きドック等の機材と相俟って、原子炉区画陸上保管施設の本格的稼働が可能になりました。

【参考】「極東ロシア原子炉区画ブラスト・塗装施設建設協力事業に係る資金供与契約の署名について」(平成25年3月13日)

(式典の様子)

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関係者挨拶 テープカット 記念銘板除幕
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ブラスト・塗装施設 ブラスト・塗装施工の為に
施設に搬入された
原子炉区画第1号
陸上保管される原子炉区画

極東ロシア原子炉区画ブラスト・塗装施設建設協力事業に係る資金供与契約の署名について

平成25年3月13日
日露非核化協力委員会技術事務局

  1. 2013 年 2 月 22 日(金)、ロシア連邦モスクワ市において、極東ロシア原子炉区画陸上保管施設原子炉区画ブラスト・塗装施設建設協力事業に係る契約署名式が開催され、日露政府関係者の立会いの下で佐々木肇日露非核化協力委員会技術事務局長がコプテフ「ロスラオ」社代表との間で事業実施に係る資金供与契約に署名しました(総額 7.34 億円、2013 年末完成予定)。
    本件事業については、2012 年 9 月に日露非核化協力委員会と国営公社「ロスアトム」との間で実施取決めが締結されており、今般の契約署名により具体的な協力が開始されます。
    なお、同式典において「ロスアトム」は、日本国政府及び国民が極東ロシアの核遺産問題の解決に多大な貢献をしてきたことを称え、日本側関係者代表(日露非核化協力委員会技術事務局長)に対し原子力分野国際協力功労賞を授与しました。
  1. 現在、極東ロシアには解体された退役原潜の原子炉区画 70 基以上が海上に一時保管されていますが、原子炉区画を陸揚げして安全に保管するため、ロシア政府は沿海州ラズボイニク湾に陸上保管施設の建設を進めています。
    同施設内に建設される本件ブラスト・塗装施設は、今後約 70 年にわたり陸上保管される原子炉区画を高湿な海風、紫外線等の影響から保護するための防食塗装等を施工する施設です。
    本件協力は、昨年日本国政府が供与した浮きドック、ジブクレーン等の機材とともに、原子炉区画の安全保管の強化及び陸上保管施設の本格稼働に資することが期待されています。

【参考】陸上保管施設への機材供与

(署名式典の様子)
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(施設イメージ)※ドイツの協力で建設された北西ロシアの原子炉区画塗装施設の外観、塗装前後の原子炉区画。
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原子炉区画陸上保管施設建設事業機材供与完了式典

平成24年 5月30日
日露非核化協力委員会技術事務局

  1. ロシア政府が同国沿海地方ラズボイニク湾に建設中の原子炉区画陸上保管施設に対して日露非核化協力委員会が供与した浮きドック1隻、ジブ・クレーン2基及びタグ・ボート1隻(総額約45億円)の機供与完了式典が平成24年(2012年)5月18日に現地で執り行われました。
    本式典は、日本国外務省関係者、露国営公社「ロスアトム」関係者、露沿海地方行政府等の関係者出席の下盛大に行われ、その模様は日露両国において報道されました。
  2. 現在、ロシア極東地域のラズボイニク湾及びカムチャツカ半島には、解体した退役原潜の原子炉区画73基が海上に一時保管されていますが、原子炉区画をより安全保管するには陸上保管が最善であるため、ロシア政府はラズボイニク湾に原子炉区画陸上保管施設の建設を進めています。
    今般日露非核化協力委員会が供与した浮きドック、ジブ・クレーン及びタグ・ボートは、原子炉区画の陸揚げ、長期保管のための準備作業等に使用されます。
  3. 本式典においてロシア側関係者は、東日本大震災等による非常に困難な時期にあるにも拘わらず、原子炉区画陸上保管施設の運用に不可欠である機材の供与を日本政府が約束通り遂行してくれたとして深甚なる謝意を表明しました。
    これに対し、日本政府関係者からは、今般の機材供与がロシア極東地域全体の核セキュリティ強化及び日本海の環境問題解決に寄与すると共に、アジア太平洋地域のパートナーとしてふさわしい日露関係の構築へと繋がっていくことへの期待が表明されました。
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浮きドック「さくら」 ジブクレーン(32t、10t) タグボート「すみれ」

ヴィクターⅢ級原潜3隻解体に関する資金供与契約及び請負契約の署名

ロシア退役原子力潜水艦解体協力事業「希望の星」

平成19年8月9日
日露非核化協力委員会技術事務局

  1. 8月2日(木)、ロシア連邦ボリショイ・カーメニ市(ウラジオストク近郊)のズヴェズダ造船所において、ヴィクターⅢ級原子力潜水艦3隻解体プロジェクトに関する契約署名式が開催されました。同式典においては、関口外務大臣政務官の立ち会いの下、佐々木日露非核化協力委員会技術事務局長とルィセンコ・ダリラオ社社長との間で資金供与契約が、ルィセンコ社長とシュリガン・ズヴェズダ造船所所長との間で請負契約がそれぞれ署名されました。
  2. 今般の契約署名は、平成17年11月のプーチン・ロシア大統領訪日の際に署名された「極東ロシアにおける5隻の原潜解体に関する実施取決め」のうちヴィクターⅢ級原潜3隻の解体に関するものです。

(参考)
日本政府は、軍縮・不拡散及び日本海の環境保全の観点から、ロシア退役原子力潜水艦解体協力事業「希望の星」に積極的に取り組んでおり、これまで日露非核化協力委員会を通じて、ヴィクターⅢ級原潜1隻の解体に協力しています。なお、同事業は、2003年1月の小泉総理訪露の際に採択された「日露行動計画」の重要な柱の一つであり、2002年6月のカナナスキス・サミットで採択された「大量破壊兵器及び物質の拡散に対するG8グローバル・パートナーシップ」の一環としても位置づけられるものです。

「極東ロシアにおける5隻の原潜解体に関する実施取決め」のうち、今般解体に関する契約が署名されたヴィクターⅢ級原潜3隻を除く2隻について、1隻(ヴィクターⅠ級原潜)は平成18年9月に契約が締結され、現在ズヴェズダ造船所において解体が進められており、もう1隻(チャーリーⅠ級原潜)は早期解体に向けて引き続きロシア側と協議していく予定です。

(了)