
非核化協力
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| T. 旧ソ連への非核化協力 |
1.協力の必要性 (1)米ソ両国は、冷戦終結を背景に、1991年7月の第一次戦略兵器削減条約(STARTT)を含め一連の軍備管理・軍縮につき合意しましたが、同年12月にソ連邦が崩壊した結果、冷戦の負の遺産として旧ソ連諸国(ロシア、ウクライナ、カザフスタン及びベラルーシ)に残された大量破壊兵器を迅速に廃棄することが重要であるとの強い認識が生まれました。 (2)これらの核兵器の廃棄及び不拡散のための措置は、本来ロシア等旧ソ連諸国が実施すべき問題ですが、経済の疲弊、市場経済導入等に伴う社会混乱等の事情が重なり、これら諸国の自助努力にも限界がありました。同時にこれらの問題は国際社会の重大関心事でもあったため、日本を含めた国際協力が行われることとなりました。 (3)日本は、1993年4月、東京サミットに先行して開催されたロシア支援に関する先進7ヶ国(G7)合同閣僚会議において、宮沢首相(当時)より旧ソ連諸国の非核化協力のために総額1億ドルの資金協力を発表しました。また、1999年6月のケルンサミットにおいて、小渕首相(当時)は旧ソ連諸国に対する核軍縮・核不拡散協力として93年の資金協力の未使用分とあわせ2億ドルの資金協力を表明しました。 (参考資料) ・先進7カ国合同閣僚会議における宮沢総理開会ステートメント(1993年4月)(外務省) ・ケルン・サミット(成果とわが国の主張)(外務省) 2.G8グローバル・パートナーシップ (1)先進8カ国(G8)は、2002年6月にカナダで開催されたカナナスキス・サミットにおいて、大量破壊兵器及び物質の拡散防止に関するG8グローバル・パートナーシップを発表、まずロシアを対象に不拡散、軍縮、テロ対策及び原子力安全に関する事業を実施することに合意しました。具体的には化学兵器の廃棄、退役原子力潜水艦(以下、原潜)の解体、核分裂性物質の処分、兵器研究に従事した科学者の雇用問題等が中心になります。 (注)G8は、日本のほか、米国、英国、独、仏、伊、加、露、EUが参加する世界の主要国の集まりです。 (2)G8は、本件のため2012年までの10年間に200億ドルを上限に資金調達を行う旨のコミットメントを行いました。2003年10月現在、米が100億ドル、ロシア20億ドル、独15億ユーロ、伊10億ユーロ、EU10億ユーロ、仏7.5億ユーロ、カナダ10億カナダ・ドル、英7.5億米ドルを各々コミットしています。日本は2億ドル余りをコミットしましたがそのうち、1億ドル余りを退役原潜の解体に、残り1億ドルを余剰プルトニウムの処理に充てることにしています。 (3)G8は、パートナーシップへの他の諸国の参加も求めており、2003年6月のエビアン・サミットにおいてノルウェー、スウェーデン、フィンランド、スイス、ポーランド及びオランダが、また2004年6月のシーアイランド・サミットにおいて豪州、ベルギー、チェッコ、デンマーク、アイルランド、韓国、ニュージーランドが参加を決定しました。なお、2004年6月豪州は極東ロシアの原潜解体関連事業のために日露非核化協力委員会に対し1000万豪州ドル(約700万米ドル)を拠出しました。 |
| U. 日本の非核化協力 |
1.協力の意義 (1)日本は、唯一の被爆国として核廃絶を強く希求しており、核廃絶に向けた「現実的かつ漸進的」な取り組みを着実に継続し、核兵器のない、平和で安全な世界の実現を目指すことが何よりも重要であると考えています。このため日本は、1994年以降、毎年国連第一委員会に『究極的核廃絶決議案』を提出しました。また、2000年の国連ミレニアム総会以降は『核兵器の全面的廃止への道程』決議案を提出し、圧倒的多数の加盟国の支持を得て採択されています。日本の旧ソ連への非核化協力は、これらの国連決議と軌を一にします。 (2)非核化協力事業は、核弾頭及び核弾頭輸送手段の解体、これら解体作業に伴う環境汚染対策、軍民転換支援などその内容は多岐にわたります。日本は、これらの中で非核国としての技術や知識が活用できる環境、保障措置、医療、軍民転換支援などの案件を中心に協力を進めてきました。特にロシア極東地域に係留されている退役原子力潜水艦の安全な解体は、日本海の環境保全、漁業資源への影響等日本の利害に直結してくる問題ですので、日本は同解体事業に積極的に協力を行っています。 同解体事業は、2003年1月の小泉総理とプーチン大統領との会談の際、日露協力の優先課題として位置づけられ、小泉総理によって「希望の星(ズヴェーズダ・ナジェージディ)」と命名されています。 (3)原潜解体を中心としたロシアへの非核化協力は、今年2005年は日露修好 150周年を迎えることもあり、日露の両国関係にとっても大きな意味を持っています。日露両国は、日本海を挟んだ隣国であり、21世紀にふさわしい日露関係を構築していく必要があります。また、ロシアへの非核化協力は両国国民の相互理解、信頼醸成を通じ両国関係を緊密化・深化させていく上でも大きな意義があります。 2.二国間協定の締結 日本は、旧ソ連諸国に対する非核化協力を実施するため1994年3月までにロシア、ウクライナ、カザフスタン及びベラルーシとの間で以下の二国間協定を締結しました。 (1) 日・露 「ロシア連邦において削減される核兵器の廃棄の支援に係る協力及びこの協力のための委員会の設置に関する日本国政府とロシア連邦政府との間の協定」 (1993年10月13日署名、同日発効) (2) 日・ウクライナ 「ウクライナにおいて削減される核兵器の廃棄に係る協力及びこの協力のための委員会の設置に関する日本国政府とウクライナ政府との間の協定」 (1994年3月2日署名、3月11日発効) (3) 日・カザフスタン 「カザフスタン共和国において削減される核兵器の廃棄に係る協力及びこの協力のための委員会の設置に関する日本国政府とカザフスタン共和国との間の協定」 (1994年3月11日署名、同日発効) (4) 日・ベラルーシ 「核兵器の不拡散の分野における協力及びこの協力のための委員会の設置に関する日本国政府とベラルーシ共和国政府との間の協定」 (1993年11月5日署名、同日発効) |
| (参考資料) ・二国間協定の内容 (日露二国間協定) 3. 協力の実施機関 (1) 日本及び関係国は、前述の各二国間協定に基づき、非核化協力を実施するための機関として日露非核化協力委員会、日・ウクライナ核兵器廃棄協力委員会、日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会及び日・ベラルーシ核不拡散協力委員会をそれぞれ設置しました。 (2) 各委員会は、総務会、技術事務局から成っていますが、日露非核化協力委員会だけは協力事業の実施メカニズムを強化するため総務会の補助機関として実施タスクフォースが設置されています。 (3)「総務会」は、日本及び協力対象国の代表で構成され、日本側の代表は各国駐在の大使であり、対象国側の代表は各国の担当省庁の責任者となっています。「総務会」は協力事業の優先順位、具体的計画の実施などを決定します。 平成18年4月1日現在の代表は、次のとおりです。
(ロ)日・ウクライナ核兵器廃棄協力委員会
(ハ)日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会
(二)日・ベラルーシ核不拡散協力委員会
(4)「実施タスクフォース」は、日露非核化協力委員会が実施する作業を加速化させるために、総務会の補助的機関として2003年2月に設置が決定されました。 日露両国の調整官、調整官代理及びメンバーで構成されていますが、現在の日露の調整官は次のとおりです。
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(6)日本、4カ国、協定及び委員会の関係を図式で表わすと次のようになります。なお二国間協定の日本側所轄官庁は外務省であり、軍縮不拡散・科学部軍備管理軍縮課が窓口となっています。 |
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| 4. 協力実績 |
| 日本は、ロシア、ベラルーシ、ウクライナ、及びカザフスタンの旧ソ連4カ国に対しこれまで次のようなプロジェクトを実施しています。 1. ロシア (1) 低レベル液体放射性廃棄物処理施設「すずらん」の供与 (41.5億円、2001年11月完了) (2) 原潜解体支援(ロシア退役原潜解体協力事業「希望の星」) (ヴィクターV級原潜解体、7.9億円、2004年12月完了) 2. ウクライナ (1) 保障措置関連支援 (5.3億円、2000年4月完了) (外部からの侵入・接触より核物質を防護するシステムの供与等) (2) 第一次医療機材支援 (5.9億円、1997年5月完了) (3) 第二次医療機材支援 (3.9億円、1998年8月完了) (4) 第三次医療機材支援 (0.9億円、2000年4月完了) (5) 第四次医療機材支援 (3.1億円、2001年6月完了) 3. カザフスタン (1) 保障措置関連支援 (5.4億円、1998年10月完了) (2) ESR(被爆者の歯の放射能量測定)供与 (0.9億円、1997年2月完了) (3) 医療機材供与(4.5億円、1997年10月完了) (4) 遠隔医療診断システム支援 (0.7億円、1999年8月完了) 4. ベラルーシ (1) 保障措置関連支援 (2.4億円、2000年12月完了) (2) 退役軍人職業訓練センター機材供与 (3.1億円、1999年2月完了) |
5.協力プロジェクト 各国の協力プロジェクトの概要は、国別サイトを参照下さい。 |
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