カザフスタン非核化協力関係者の訪日招聘事業

令和6年(2024年)4月24日

     日・カザフスタン核兵器廃棄協力の一環として、カザフスタン・エネルギー省原子力産業局のセルガジン局長を団長とするカザフスタン関係者計7名の招聘事業を実施し、代表団は2024年4月1日より4月5日までの間日本に滞在しました。
     1994年に署名された「カザフスタン共和国において削減される核兵器の廃棄に係る協力及びこの協力のための委員会の設置に関する日本国政府とカザフスタン共和国政府との間の協定」の枠組みの中で、約30年にわたり合計約18億円を拠出し、 カザフスタンの国内計量管理制度 (SSAC) 確立支援、セミパラチンスク核実験場周辺地域の放射能汚染対策、 核セキュリティ防護資機材供与など様々な事業が実施されてきました。同協定が本年8月に終了することとなり、今回の招聘は、1994年協定の枠組みでの最後の協力事業となりました。
     訪日期間中、カザフスタン代表団一行は外務省大臣政務官への表敬、外務省関係部局幹部との意見交換や協議の他、経産省、原子力規制委員会、日本原子力研究開発機構(JAEA)及びJAEA傘下の核不拡散・核セキュリティ総合支援センター (ISCN)の関係者との間で情報交換及び意見交換などを行いました。
     一連の会合や協議の過程において、日本側 (外務省、経産省、原子力規制委員会、JAEA/ISCN)からは、カザフスタン代表団一行の訪日を歓迎しつつ、これまでの非核化関連協力事業が成功裏に終わったことを評価する発言がありました。
     これに対して、セルガシン団長は、これまでの日本からカザフスタンに対する核兵器の廃棄に関連する協力に感謝の意を表明し、今回の訪日が非常に有意義であったこと、原子力分野における将来の日・カザフスタン協力の可能性について言及しました。

カザフスタン・ウルバ冶金工場核セキュリティ強化支援事業に係る事後評価の実施

2017年(平成29年)10月31日
日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会技術事務局

 2017年4月から10月にかけて、カザフスタン・ウルバ冶金工場核セキュリティ強化支援事業(注:2015年2月完了、事業費3.37億円)に係る事後評価が実施されました。

 2017年6月には、事後評価業務を受託した公益財団法人日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター(以下「事後評価者」)の専門家2名が、現地調査のためカザフスタン・ウスチカメノゴルスク市のウルバ冶金工場を訪問するとともに、アスタナ市のエネルギー省原子力・エネルギー監視・監督委員会(規制機関)や国営原子力公社カズアトムプロム(ウルバ冶金工場の親会社)を訪れて協議を行いました。

 事後評価者は、施設の核物質防護システムの稼働状況、トレーニングによる施設職員の技能向上、事業の波及効果、事業終了後の持続的取組み等の総合的観点から評価を行い、今後の活動に対する提言や教訓を含む報告書を日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会に提出しました。

postevaluation_inp現地調査の様子

(参考リンク)カザフスタン核セキュリティ強化支援 (2011~2015年)

カザフスタン核物理研究所核セキュリティ強化支援事業
に係る事後評価の実施

2016年(平成28年)4月22日
日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会技術事務局

 2015年11月から2016年3月にかけて、カザフスタン核物理研究所核セキュリティ強化支援事業(注:2013年2月完了、事業費89百万円)に係る事後評価が実施されました。

 2015年12月には、事後評価業務を受託した公益財団法人核物質管理センターの専門家2名がカザフスタンを訪問し、アルマティ市の核物理研究所の視察を行い、またアスタナ市のエネルギー省原子力・エネルギー監視・監督委員会を訪れました。

 これら2名の専門家は、支援事業による核セキュリティ関連インフラ改善の状況、トレーニングによる施設職員の技能向上、事業終了後の施設側の持続的取組み等の総合的観点から評価を行った上で、今後の活動に対する提言や教訓を含む報告書を日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会に提出しました。

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(参考)「カザフスタン共和国核物理研究所における核セキュリティ強化プロジェクト完了式典について」(平成25年6月19日)

カザフスタン核セキュリティ強化支援事業
に係る完了式典の開催

2015年(平成27年)5月7日
日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会技術事務局

 2015年4月30日 、カザフスタン共和国エネルギー省において、カザフスタン核セキュリティ強化支援事業の完了式典が挙行され、日本側から薗浦外務大臣政務官、蒲原在カザフスタン日本国特命全権大使、カザフスタン側からカラバリン・エネルギー省筆頭副大臣、ジャンティキン同省原子力・エネルギー監視・監督委員会副委員長などが出席しました。

 カラバリン・エネルギー省筆頭副大臣は挨拶において、国際的にテロの脅威が高まるなかでカザフスタンの原子力施設の防護対策を強化した本事業の意義について触れ、核セキュリティの強化はウラン生産量世界第一位を誇る同国の原子力産業に対する信頼性の向上にも資するものであるとして、日本の支援に対して深甚なる謝意を表明しました。

 また、薗浦外務大臣政務官より、本年のCTBT発効促進会議の共同議長である日本とカザフスタンが核セキュリティ分野で共同歩調をとり、核実験による被害国、核兵器による被ばく国という立場から国際社会に対しメッセージを発信し続けていくことの重要性について発言がありました。

 本事業は、2011年11月に日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会と産業新技術省(当時。省庁再編後エネルギー省が事業を継承)の間で締結された実施取決めに基づき実施されたものです(総額4.32億円)。本事業によって同国ウルバ冶金工場(核燃料工場)及び核物理研究所の外周防護壁、検知センサー、監視カメラ、通信設備等が整備された結果、堅固な障壁が確保されるとともに侵入者に対する監視・検知能力が大きく改善しました。また、IAEAと協力して原子力施設職員に対する核セキュリティのトレーニングも実施されました。

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(了)

カザフスタン共和国核物理研究所における
核セキュリティ強化プロジェクト完了式典について

平成25年6月19日
日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会技術事務局

  1. 平成25年(2013年)5月28日、アルマティの核物理研究所において、日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会の両国代表である原田有造駐カザフスタン日本国特命全権大使及びジャンティキン・カザフスタン共和国産業新技術省原子力委員長を始めとする両国関係者の出席の下、カザフスタン共和国核物理研究所の核セキュリティ強化プロジェクトの完了式典が執り行われました。
  2. 本プロジェクトは、2011年11月に日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会がカザフスタン共和国産業新技術省との間で締結した実施取決めに基づき、核物理研究所の核セキュリティ強化を目的として総額8,900万円の資金協力を行ったものです。
  3. 本式典においてカザフスタン側関係者から、今般の日本の協力に対して深甚なる謝意が重ねて表明されました。また、日本政府関係者からは、本協力がカザフス タンの核セキュリティ強化に資するだけでなく、日・カザフスタン二国間関係の緊密化に繋がることへの強い期待が表明されました。
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完了式典の様子

カザフスタン共和国における IAEA核セキュリティ・トレーニングコースの開催について

平成24年5月8日
日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会技術事務局

  1. 平成24年(2012年)4月16日(月)から20日(金)にかけてカザフスタン共和国アルマティにおいて、IAEA 核セキュリティ・トレーニングコースが日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会の資金協力の下で開催されました。
    本件コースは、IAEA の最新のセキュリティ勧告およびカザフスタン側の具体的なニーズを基に策定され、参加者は5日間の講義や実習を通じて核セキュリティに係る方法論や国際的知見につき理解を深めました。
  2. 日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会は、2011年11月にカザフスタン共和国産業新技術省との間で同国の核セキュリティ強化に係る実施取決めに署名、カザフスタンにおけるIAEA核物質防護トレーニングコースを実施するため、IAEA核セキュリティ基金に対し約7万4千ユーロ(約745万円)の資金協力を行いました。なお、2012年3月にソウルで開催された第2回核セキュリティサミットにおける日本のナショナル・ステートメントにおいてIAEAと協力したカザフスタンにおける核物質防護強化事業が言及されていますが、本件レーニングはその一環でもあり、カザフスタンの専門家の技能向上および盤石な核セキュリティ対策に資することが期待されます。

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(了)

カザフスタン共和国 核セキュリティ強化プロジェクト 実施に係る資金供与契約の署名について

平成24年2月28日
日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会技術事務局

  1. 平成24年(2012年) 2月21日(火)、カザフスタン共和国首都アスタナの産業新技術省会議場において同国の核セキュリティ強化プロジェクトに係る資金供与契約署名式が行われました。
     同署名式典においては、ジャクサリエフ・カザフスタン共和国産業新技術省次官、原田有造駐カザフスタン日本国特命全権大使(日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会日本国政府代表)、ジャンティキン原子力委員長 同カザフスタン共和国政府代表) を始め両国政府関係者の立会いの下、佐々木肇日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会技術事務局長がウルバ冶金工場及び核物理研究所の各代表との間でウルバ冶金工場に対し3億3700万相当、核物理研究所に対し8900万円相当の核セキュリティ強化プロジェクトの実施に係る資金供与契約に署名しました。
  2. 日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会は、2011年11月にカザフスタン共和国産業新技術省との間で本件協力に係る実施取決めに署名しており、これを受けて同年12月にはIAEAとの間でもカザフスタンに対する核物質防護トレーニングを協力して実施することが合意されています。
     本件協力については、2010年4月にワシントンで開催された第1回核セキュリティサミットにおける日本のナショナル・ステートメントにおいても言及されており、カザフスタンの核セキュリティ対策の一層の強化と共に、核テロ防止へ向けたグローバルな取組みに対しても大きく貢献することが期待されます。
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    (了)